PEOPLE WITH ESSENCE OF ELEGANCE

宮本笑里さんが奏でる
「エレガンス」

好きなことに真っ直ぐで、誠実。
その気持ちをずっと持ち続けるだけでなく、磨き続ける姿は、
心に響く美しさがある。

今年デビュー15周年を迎えるヴァイオリニスト
宮本笑里さんも、そんな真摯な美しさを湛えた人。

「ただシンプルに、ヴァイオリンが大好き。
だからこそ歩み続けることのできた道だと、あらためて思います。厳しいレッスンも、ステージのプレッシャーも。
逃げ出したくなる瞬間は数え切れないほどにありましたが、最後に勝つのは
“ヴァイオリンを弾きたい”という絶対的な想い。
7歳で初めて触れたときからずっと、その気持ちだけは変わらないんです。
初めて自分が奏でるヴァイオリンから美しい音色が聞こえたときの感動は、
今でも忘れられません。
人前で話したり目立つことが得意でなかった私が、
ヴァイオリンという楽器を通じて自分の想いや感情を表現できるようになった。
心強い相棒を見つけたような、そんな出会いでした」。

宮本さんが心の相棒と語る、ヴァイオリン。
この日、宮本さんが手にしているヴァイオリンは300年以上前に製作されたもの。

「300年ものあいだ紡がれてきた物語の奥深さや力強さ、品格を音に感じます。
現代までこんなにきれいな状態で残されているのは、繋いできた人たちの愛があってこそ。
大切に弾かれ、ケアされてきた証。
年代が古いほど魅力的な音色のものが多いのは、そんな愛情が層となり、
音の厚みとなって現れているのかなと思います。
経験が魅力となるのは、楽器も人も一緒ですね」。

女性の後ろ姿にも喩えられる、
ヴァイオリンのフォルム。
そのエレガントな佇まいは、宮本さんの演奏姿ともきれいにシンクロ。

「ヴァイオリンを構える姿勢は、最初のレッスンでも厳しく注意されるポイントです。
素晴らしい奏者は、立ち姿も美しい。
ヴァイオリンは体の使い方や立っているときのフォルムが大事で、どんな姿勢で弾くかによって音の投げ方、
届き方が変わってきます。右足をずらして、左足をもっと重心において、首の位置や体の軸をしっかりと意識して……。
鏡を見て自分が美しく構えることができているか、理想の音が出せるまでフォームを微調整。
軸がしっかり持てるようになると演奏に広がりや個性が生まれ、
その人にしかない魅力として誰かに響き、
映るようになるのだと思います」。

小学校2年生になるお子さんの母親でもある、宮本さん。
家事や育児をこなしつつ、現在も欠かさないという毎日6時間のヴァイオリン練習。

「家庭のことをやりつつなので、6時間ぐらいが精一杯。練習時間はだいぶ短くなってしまいましたね。
私がヴァイオリンを始めた頃からの憧れの人である五嶋みどりさんは、あれほどのキャリアを積まれても、未だに1日十数時間練習していると聞いています。
ヴァイオリンと音楽に、人生を捧げている。すでにプロフェッショナルでありながら、ずっと努力を重ねているんですよね。
だからこそ、五嶋さんの演奏には心を打つ素敵さがある。音楽家としてだけでなく、人としての生き方としても尊敬がやみません。

音楽家として歩むうえで “誰よりも努力すること”は、常に胸に刻んでいます。
休むこと、遊ぶことの選択は今でもむずかしい課題ではありますが、いい音を奏で、届けることが私にとって最高の幸せ。
練習せずにはいられません。
だから、毎日が自分でもびっくりするほど
ドタバタでメチャクチャ(笑)。

それでも最近は娘が料理や洗濯を手伝ってくれるようになり、だいぶラクになりました。
娘は今、小学2年生。
今のところ、楽器はやっていません。
小さい頃、試しにおもちゃのヴァイオリンを与えてみたのですが、すぐに壊してしまって。
おてんばな子なので何か別なことが向いているのかなと、
無理強いはしませんでした。

何かをやり続けるって“自分でやりたい”と思えることが一番重要だと思うんです。
私がヴァイオリンを始めたのも親からのすすめではなく、自分自身で決めたこと。
そうでないと、頑張ることが苦しくなってしまうし、壁にぶつかったときに踏ん張る力も湧かない。
娘には今は自由に、興味を持ったことにどんどん挑戦してもらいたくて“いつか好きなことが
見つかればいい”と見守っている感じです」。

昨年、象徴的だった黒髪のロングヘアをばっさりカット。
新鮮で素敵なイメージチェンジが話題に。

「かれこれ30年以上、ずっとロングヘアだったんです。
ヴァイオリンの演奏では私のアクションに合わせて長い髪が揺れ動き、音だけではない表現を担っている部分もありましたが、15周年を目前に気分一新。
“思い切って1回やってみよう”とボブヘアに挑戦。
シャンプーがこんなにラクだなんて!と初日は大感動でした。
だいぶ時短になったのと、今まで着ていた服の見え方が変わったり、ファッションも
新鮮な気持ちで楽しめています。

ファッションは見た目だけでなく、
心にも作用するもの。
着るものによって気分が変わるので、自分にとっての心地よさや
上質さを大切にしています。

奏者としての装いは楽器に傷がつかないよう、襟周りに装飾がないことが最優先。
これは私の主観になってしまうのですが、生地が厚すぎたり分量が多かったりすると音が吸収されてしまう気がして。
なるべく薄手のミニマルなデザインを
選ぶようにもしているんです。

直感とか体感って、今までの経験上当たっていることがほとんど。自分の感覚には
素直でありたいです」。

A N A Y I を纏う、宮本笑里さん。
奏者として、ひとりの女性として想う「エレガンス」とは?



「ANAYIのお洋服は、ステージでもプライベートでも愛用。
淡いピンクやブルーなど、それこそ直感的に喜びを感じるような色合いに溢れていて、その誘いにショップの前を素通りできません。
いつも自分に似合うサイズを見つけるのがむずかしいのですが、ANAYIはサイズ展開も豊富なので、
自分をよく見せてくれるちょうどいい1着が見つかるのも嬉しいんです。色彩、デザイン、着心地……。
私にとって、いろんな意味で心地のいい存在。

自分の心地よさはきっと周囲にも伝わるはずで、大らかに振る舞える気がしています。
素敵な女性の価値観はいろいろありますが、大らかな雰囲気を纏った女性に感じるのは“愛されるエレガンス”。
一番身近にいる大らかな女性は、母。
私が幼い頃からフワーッとした穏やかさがあって、よく笑い、大変そうな姿を目にした記憶がないんです。
ずっと“天然なのかな”と思っていたのですが、自分が母になってみると“こんなに大変なことを笑顔でこなせる人が天然なはずはない”と、
家族がよくあるために笑って、ゆったりとした心で私たちを
包み込んでくれていたのだと気付きました。

その包容力と深い愛情から成る品格は、母として女性として見習いたいところ。本質的なエレガンスを教わったような気がしています」。



1 5 周年の活躍に
期待が集まる宮本さん。
最後にメッセージを。



「今は、15周年のアルバム制作やツアー準備の真っ只中。
練習やレコーディングなどで、
忙しくもウキウキとした日々を過ごしています。
新型コロナウィルスと音楽の共存の仕方が見えてきたなか、今回こそは無事に開催できることを
祈るばかり。
皆さんの前で大好きなヴァイオリンを弾ける、
新しい音を届けられる、
その日が待ち遠しくて仕方ありません」。


- Release Information -

宮本笑里 ヴァイオリニスト
2022年7月デビュー15周年を迎え、7/20には15周年記念アルバム「classique deux」をリリース予定。
使用楽器はDOMENICO MONTAGNANA 1720〜30をNPO法人イエロー・エンジェルより
貸与されている。

オフィシャルサイト http://emirimiyamoto.com/



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