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プリンシパル 小野絢子さんの心に響くエレガンス
2023.10.15


PEOPLE WITH ESSENCE OF ELEGANCE PEOPLE WITH ESSENCE OF ELEGANCE
プリンシパル 小野絢子さんの
心に響くエレガンス

華麗に、優雅に舞い踊るプリンセス。
幼き頃の美しき夢を体現するような「バレエ」というエレガントな世界。
新国立劇場バレエ団で、12年間プリンシパルを務める
小野絢子さんがバレリーナして歩む覚悟を決めたのは、17歳のとき。

「バレエを始めたのは、4歳の頃。姉がバレエを習っている姿を見て“私も!”という、子どもらしい純粋な動機から。
興味のないことはやりたくないというハッキリした性格だったので、音に合わせて踊ることが好きだったんだと思います。
バレエの道を志すか、きちんと向き合うことのないまま高校生になり、進路を決めなくてはならない時期に差し掛かったとき、
ちょうど学校の必須プログラムでアメリカに2ヶ月留学することになり、
バレエのレッスンを休まざるを得ない状況になりました。
ずっと続けていたバレエのレッスンと初めて距離を置くことで訪れた、今までになくバレエのことを深く考える時間。
私は将来、何になりたいのか。
バレリーナ以外に思い浮かぶものがなかったんです」



華麗に、優雅に舞い踊るプリンセス。
幼き頃の美しき夢を体現するような
「バレエ」というエレガントな世界。
新国立劇場バレエ団で、12年間プリンシパルを
務める小野絢子さんがバレリーナして
歩む覚悟を決めたのは、17歳のとき。

「バレエを始めたのは、4歳の頃。
姉がバレエを習っている姿を見て
“私も!”という、子どもらしい
純粋な動機から。
興味のないことはやりたくないという
ハッキリした性格だったので、
音に合わせて踊ることが
好きだったんだと思います。
バレエの道を志すか、きちんと
向き合うことのないまま
高校生になり、進路を決めなくては
ならない時期に差し掛かったとき、
ちょうど学校の必須プログラムで
アメリカに2ヶ月留学することになり、
バレエのレッスンを
休まざるを得ない状況になりました。
ずっと続けていたバレエのレッスンと初めて
距離を置くことで訪れた、
今までになくバレエのことを深く考える時間。
私は将来、何になりたいのか。

バレリーナ以外に
思い浮かぶものがなかったんです」


バレエレッスンを休んだ時間が
“プロの道を後押し”


憧れの舞台にいたるまでの、険しく狭い道。
バレリーナを志す年齢としては遅いとも言われるなか、
勇気を持って一歩を踏み出した小野さん。

「姉がバレリーナの道を選び、その苦労や努力を見ていたので
すごく悩みましたし、不安でした。
努力家ではない自分に、果たして貫くことができるのか。

留学中の2ヶ月間、バレエができない環境で誰も見ていない中、
自分の意志だけでお稽古を継続することが
できていたなら、プロの道に挑戦してもいいのかも知れない……。

そう決心して、自分自身を試してみることにしました」


憧れの舞台にいたるまでの、険しく狭い道。
バレリーナを志す年齢としては遅いとも
言われるなか、勇気を持って一歩を
踏み出した小野さん。

「姉がバレリーナの道を選び、その苦労や努力を見ていたのですごく悩みましたし、不安でした。
努力家ではない自分に、果たして貫くことができるのか。留学中の2ヶ月間、バレエができない環境で誰も見ていない中、
自分の意志だけでお稽古を継続することができていたなら、プロの道に挑戦してもいいのかも知れない……。
そう決心して、自分自身を試してみることにしました」

日本舞踊の経験とアイデアがオリジナリティのエッセンスに

豊かでいて繊細な表現力、可憐でいてときに妖艶な魅力。
物語に情緒を添えるような目線の送り方や、きめ細やかな所作。
絶対的プリンシパルと称される小野さんのオリジナリティ。

「中学に上がるまではバレエと並行して日本舞踊も習っていたので、その影響もあるのかなと思います。
日本舞踊の先生は本当に厳しくて、子供だからといって容赦なし。
礼儀作法はもちろんのこと、舞台に立つことの心がけまで厳しく教わりました。
日本舞踊は群舞が少なく、ひとりで踊ることが多い。
バレエよりも狭い舞台で、どのように立ち、自分を見せていくのか。
目線の使い方、ふとした所作、間の取り方……。
今の私でもむずかしい感覚的な表現を、何度も“違う”と指導されました。
桜の花びらが舞う、きれいな月が浮かぶ情景を手の動きや目線の流れによって伝える。
何度も繰り返し考え、試したその経験とアイデアは今も私の中に息づいていると思います」

日本舞踊の経験とアイデアが
オリジナリティのエッセンスに

豊かでいて繊細な表現力、
可憐でいてときに妖艶な魅力。
物語に情緒を添えるような
目線の送り方や、きめ細やかな所作。
絶対的プリンシパルと称される
小野さんのオリジナリティ。

「中学に上がるまではバレエと並行して
日本舞踊も習っていたので、
その影響もあるのかなと思います。
日本舞踊の先生は本当に厳しくて、
子供だからといって容赦なし。
礼儀作法はもちろんのこと、
舞台に立つことの心がけまで
厳しく教わりました。
日本舞踊は群舞が少なく、
ひとりで踊ることが多い。
バレエよりも狭い舞台で、どのように立ち、
自分を見せていくのか。
目線の使い方、ふとした所作、
間の取り方……。
今の私でもむずかしい感覚的な表現を、
何度も“違う”と指導されました。
桜の花びらが舞う、きれいな月が
浮かぶ情景を手の動きや目線の
流れによって伝える。

何度も繰り返し考え、試したその経験と
アイデアは今も私の中に
息づいていると思います」


プラス、マイナスどちらの感情も
上達するための力に変える

ひとつのことを追い続けるエネルギー。
決して順風満帆ではないと想像できるからこそ聞きたい、
小野さんが頑張り続けるモチベーション。

「スタートが遅い分、技術も心持ちも、遅れをとっているというマイナスを“底辺にいるなら上がるしかない”とプラスに変換。
バレエに限らずですが、気持ちのアップダウンってものすごいエネルギーを使いますよね。
褒められて嬉しいときも、悔しい思いをしたときも、エネルギー量はきっと同じぐらいだと思うんです。
マイナスの感情は苦手ではありますが、それは一生懸命向き合っている証拠なのかな、と。
せっかくのエネルギーを無駄にしないため、どちらの感情も上達するために利用する。
使うか、捨てるかは自分次第なんだと思います」

プラス、マイナスどちらの感情も
上達するための力に変える

ひとつのことを追い続けるエネルギー。
決して順風満帆ではないと
想像できるからこそ聞きたい、
小野さんが頑張り続けるモチベーション。
「スタートが遅い分、技術も心持ちも、
遅れをとっているというマイナスを“底辺にいる
なら上がるしかない”とプラスに変換。
バレエに限らずですが、気持ちの
アップダウンってものすごいエネルギーを
使いますよね。褒められて嬉しいときも、
悔しい思いをしたときも、エネルギー量は
きっと同じぐらいだと思うんです。
マイナスの感情は苦手ではありますが、
それは一生懸命向き合っている
証拠なのかな、と。
せっかくのエネルギーを無駄にしないため、
どちらの感情も上達するために利用する。
使うか、捨てるかは
自分次第なんだと思います」


完璧な踊りは叶わない。だから、踊り続ける

新国立劇場のYouTubeチャンネルにもアップされている『白鳥の湖』第2幕のアダージョ。
オデット演じる小野さんとジークフリート王子役の奥村康祐さんのパ・ド・ドゥ。
小野さんが奥村さんにもたれる一連の動きは、お互いに惹かれ合う
ロマンティックで切ない想いに溢れ、繰り返し見たくなるほどその美しさが心に響きます。

「自分では自分の魅力はわからないので、そう言っていただけるとやっぱり嬉しいです。
男性のダンサーは“女性がきれいに見えるようにサポートする”と言ってくださるのですが、
私はその逆も必要だと思っています。
凛々しさやたくましさ、物語に沿った男性の魅力を引き立てるような存在でありたい。
作品のすべてをその存在感で満たすような、求心力のある圧倒的なプリマは憧れです。
でも、私はそうではない。作品の中のひとつのパーツとして、
作り手のインスピレーションや想いをお客様に届けるために与えられた役を全うすることに
喜びを見出しています。
作品の真意を完璧にシェアできることが常に目標ですが、
終えるたびに“こうしても良かった、あんなこともできた”と伸び代を確認。
完璧はなかなか叶いそうになく、だから踊り続けているのかも知れません」

完璧な踊りは叶わない。
だから、踊り続ける

新国立劇場のYouTubeチャンネルにも
アップされている『白鳥の湖』
第2幕のアダージョ。
オデット演じる小野さんと
ジークフリート王子役の
奥村康祐さんのパ・ド・ドゥ。
小野さんが奥村さんに
もたれる一連の動きは、お互いに
惹かれ合うロマンティックで
切ない想いに溢れ、繰り返し
見たくなるほどその美しさが心に響きます。

「自分では自分の魅力はわからないので、
そう言っていただけるとやっぱり嬉しいです。
男性のダンサーは“女性がきれいに
見えるようにサポートする”と
言ってくださるのですが、
私はその逆も必要だと思っています。
凛々しさやたくましさ、物語に沿った
男性の魅力を引き立てるような存在でありたい。
作品のすべてをその存在感で満たすような、
求心力のある圧倒的なプリマは憧れです。
でも、私はそうではない。
作品の中のひとつのパーツとして、
作り手のインスピレーションや想いを
お客様に届けるために与えられた役を
全うすることに喜びを見出しています。
作品の真意を完璧にシェアできることが
常に目標ですが、終えるたびに
“こうしても良かった、あんなこともできた”と
伸び代を確認。
完璧はなかなか叶いそうになく、
だから踊り続けているのかも知れません」


動きやすく、動いたときに
美しく見える服を纏いたい


素敵な謙虚さを持ち合わせたプリンシパル。
誠実さという軸の通った清らかな佇まいは、
ANAYIが思い描く世界観と美しく重なります。

「動いたときにきれいに見える服に惹かれます。
ANAYIの服にはそんな魅力があって、その見映えをサポートするような
動きやすさもある。
着心地がいいって単に体がラクというだけでなく、見た目にも伝わるもの。
初めて袖を通したのに、体が居心地の良さを感じるような
フィット感を大切にしています。
今回着用させていただいたなかで一番フィットしたのは、
フェザーのようなデザインのホワイトのトップス。
1枚はもちろん、コートのインナーとしても上品に、
華やかに主張してくれそうです」
素敵な謙虚さを持ち合わせたプリンシパル。
誠実さという軸の通った清らかな佇まいは、
ANAYIが思い描く世界観と美しく重なります。

「動いたときにきれいに見える服に惹かれます。
ANAYIの服にはそんな魅力があって、その見映えをサポートするような動きやすさもある。
着心地がいいって単に体がラクというだけでなく、見た目にも伝わるもの。
初めて袖を通したのに、体が居心地の良さを感じるようなフィット感を大切にしています。
今回着用させていただいたなかで一番フィットしたのは、フェザーのようなデザインのホワイトのトップス。
1枚はもちろん、コートのインナーとしても
上品に、華やかに主張してくれそうです」
憧れのダンサーに学んだ
内から溢れるエレガンス


ひとつひとつの質問に、心の中に答えを探しながら真摯に、丁寧に言葉を紡ぐ小野さん。
その人柄に感じる確かな品格、そんな小野さんが憧れる“エレガントな人”とは?

「若い頃、私にとっては雲の上どころか、月のような存在のプリンシパルとペアを組ませていただく機会に恵まれました。
私の学びたい気持ちを悟り、いろいろとアドバイスをしてくださるのですが、その言葉選びや口調からは
私をひとりのダンサーとして尊重し、対等に接してくれていることが伝わりました。
どっちが上とか下とか、そういう概念のない方なんだと思います。その方の舞台上の真似のできないノーブルな魅力は
内側からも滲み出るものだと、素敵さの裏付けができました。
私も年数を重ね、バレエ団には自分よりも若いダンサーがたくさん。
彼らのバレエに対する向き合い方や伸び方を見ていると、ニューウェーブを感じます。
経験を重ねることはとても大切なことですが、それよりもフォーカスしたいのは、インスピレーション。

そこに年齢は関係なく、とてもいい刺激をもらっています。
何事もいいものを素直に取り入れる気持ちを大切に、成長を続ける自分でありたいです」
憧れのダンサーに学んだ
内から溢れるエレガンス

ひとつひとつの質問に、心の中に答えを
探しながら真摯に、丁寧に言葉を紡ぐ小野さん。
その人柄に感じる確かな品格、
そんな小野さんが憧れる“エレガントな人”とは?

「若い頃、私にとっては雲の上どころか、
月のような存在のプリンシパルとペアを組ませていただく機会に恵まれました。
私の学びたい気持ちを悟り、いろいろと
アドバイスをしてくださるのですが、
その言葉選びや口調からは私をひとりのダンサーとして尊重し、対等に接してくれていることが
伝わりました。
どっちが上とか下とか、そういう概念のない方
なんだと思います。
その方の舞台上の真似のできないノーブルな魅力は内側からも滲み出るものだと、素敵さの裏付けができました。
私も年数を重ね、バレエ団には自分よりも
若いダンサーがたくさん。
彼らのバレエに対する向き合い方や伸び方を
見ていると、ニューウェーブを感じます。
経験を重ねることはとても大切なことですが、
それよりもフォーカスしたいのは、
インスピレーション。そこに年齢は関係なく、とてもいい刺激を
もらっています。
何事もいいものを素直に取り入れる気持ちを
大切に、成長を続ける自分でありたいです」




Outfit Items | AYAKO ONO



Profile

小野絢子(ONO Ayako)
新国立劇場バレエ団 プリンシパル

東京都出身。小林紀子バレエアカデミー、新国立劇場バレエ研修所を経て、
2007 年に新国立劇場バレエ団に入団。08 年『アラジン』の主役に抜擢され、
その後もほとんどの作品で主役を踊る。11 年プリンシパルに昇格。
13 年『アラジン』、14 年『パゴダの王子』英国初演では
バーミンガム・ロイヤル・バレエにゲスト主演した。
04年アデリン・ジェニー国際バレエコンクール金賞、
11 年芸術選奨文部科学大臣新人賞および
舞踊批評家協会新人賞、14 年服部智恵子賞、
16 年橘秋子賞優秀賞、19 年芸術選奨文部科学大臣賞。

Site : https://www.nntt.jac.go.jp/



新国立劇場バレエ団 プリンシパル

東京都出身。小林紀子バレエアカデミー、
新国立劇場バレエ研修所を経て、
2007 年に新国立劇場バレエ団に入団。
08 年「アラジン」の主役に抜擢され、
その後もほとんどの作品で主役を踊る。
11 年プリンシパルに昇格。
13 年「アラジン」、14 年「パゴダの王子」
英国初演ではバーミンガム・ロイヤル・バレエにゲスト主演した。
04年アデリン・ジェニー国際バレエコンクール
金賞、11 年芸術選奨文部科学大臣新人賞
および舞踊批評家協会新人賞、
14 年服部智恵子賞、
16 年橘秋子賞優秀賞、
19 年芸術選奨文部科学大臣賞。

Site : https://www.nntt.jac.go.jp/


Information


新国立劇場バレエ団
『くるみ割り人形』
The Nutcracker and
the Mouse King



ホリデーシーズンを美しいバレエで華やかに彩る、新国立劇場の冬の風物詩

期間:2023年12月22日(金)~2024年1月8日(月・祝)
会場:新国立劇場 オペラパレス
出演:新国立劇場バレエ団

※小野絢子は 2023年12月22日、12月25日、2024年1月3日、
1月6日18:00の回に出演いたします。

■公式ホームページ:https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nutcracker/
撮影:長谷川清徳





ホリデーシーズンを美しいバレエで華やかに彩る、
新国立劇場の冬の風物詩

期間:2023年12月22日(金)~
2024年1月8日(月・祝)
会場:新国立劇場 オペラパレス
出演:新国立劇場バレエ団


※小野絢子は 2023年12月22日、
12月25日、2024年1月3日、
1月6日18:00の回に出演いたします。

■公式ホームページ:https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nutcracker/
撮影:長谷川清徳




Special Thanks / 新国立劇場
Photo / Jundai Watanabe
HairMake / Mayu Osada
Interview & Text / Hiromi Sakurai
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